泣き虫総長と5ヶ月恋愛
うん。と小さく頷く。
「響夜歌は輝夜蘭の総長を触ったんだよ。雲の上の人って言われるような人を。あんた凄いね。ほんとに凄いわ。いろんな意味で」
私は考え込んでいた。
もしかして、私はヤバイことをしちゃったんじゃないか、と。
総長にタメ口聞いてしまったし、バカみたいに背中を撫でてしまった。
ありがとうとは言っていたけどどうなるかなんてわからない。
もしかしたら乗り込んでくるかも知れない…。
体が気づかぬうちに震えていた。
「響夜歌、大丈夫。怯えることないから!輝夜蘭は、意味のない喧嘩や、女に手を上げるなんてことしない。だから大丈夫だよ」
「響夜歌、1時間目終わったし戻ろうか」
そっと立ち上がる綺輝に支えられ私は教室へ足を向けた。
「篠宮司輝人」
という人に出逢い気になりはじめた1月29日だった。