届かぬ想い ◇TABOO◇
月に二回ほどある
職場の飲み会。
10人弱のプロジェクトチーム。
指揮を取るのは私の隣に座る主任。
優しくて
でも仕事は厳しくて
妥協を許さないから
部下も苦労もあるけれど
誰もが
主任が大好きで
尊敬している。
そして私は
尊敬から
一歩踏み外している。
隣の席で
楽しく過ごしていると
テーブルの上に置いてある、私のスマホが震えた。
「彼氏?」
主任に言われ
素直にうなずく。
「先に抜けていいよ。彼氏を大事にしなさい」
その言葉には
素直にうなずけない私。