カラフル

本当はわかっているくせに、そんな言い方をするなんて、ナナはやっぱりお調子者だ。

「あぁ、これからもこんな風に振り回されるのかな」って思うと、悔しくなってしまう。

だけど、やっぱりあたしはこの笑顔に弱くて、素直に言ってしまうんだ。

「ナナが好き」

その言葉を聞いた彼は、満足そうに微笑んで、突然、あたしのホッペにキスをする。

口をポカンと開けて驚くあたしは、その後すぐ、朝香たちがこの場面を見ていたことを知り、大きな声で発狂したんだ。

その日の帰り道、朝香たちとバイバイしたあたしは、隣にいるナナに手を繋がれて気がついた。

「こんなにも好きになってたんだ」って、自分の気持ちに…。

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