片想い
菜月は、その言葉を聞き終えると、壁に掛かった時計をちらりと見た。そして、すぐに帰る支度を始めた。時刻は、9時を指していた。
「きちんと会って、話さなくていいのかい?」
「急で心の準備が出来てないの。オーナー、敏輝には私がここに来たことは言わないで、お願い。」
「分かった。」
オーナーは、諦めたように一言いい、急いで帰る菜月を見送った。菜月が帰った15分後、敏輝がいつもより焦った様子でBlueHeartを訪れた。
「オーナー、今日、菜月に会ったんだ。でも、男と一緒だった。」
「そっかあ、」