片想い
「っえ、」
菜月は、突然の展開で驚き、再び敏輝と見つめ合うことになった。
「3年前、菜月は、大学生で就職が決まったばかりで、これから社会で働く楽しさや大変さ、そんな経験や菜月の将来を奪ってしまうみたいで一緒に連れていくことが出来なかった。でも、菜月を連れていかなかったことをすごく後悔した。だから、またこっちで働けるように転勤願い出したんだ。」
そこまで言うと、敏輝は、両手で菜月の右手を握りしめた。そして、再び口を開いた。
「菜月、今付き合っている人がいることは分かってる。だけど、真剣に考えて欲しい。」
菜月は、敏輝に握られた手を握り返せずにいた。