片想い
「もしもし、敏輝。私、あの、家のカギが開いてて、」
「菜月、落ち着いて、いまどこ?」
敏輝は、混乱している菜月を落ち着つかせようと話しかけた。菜月は、今いる場所を伝えてどういう状況なのか詳しく伝えた。途中、何度も言葉に詰まったが、そのたびに敏輝が「菜月、大丈夫だから。」と、優しく言った。
話している途中、一台のウィッシュが菜月の前を通った。そして、少し先のところで止まり、1人の人物が車から降りてきた。菜月は、怖くて視線を移せなかった。
「菜月、」