片想い
「じゃあ、また来週ね。」
「またメールする。」
「おやすみなさい。」
午後10時を過ぎたあたりで、店を出る。明日も仕事なので、早めに切り上げる。3人とも帰る方向が違うため、店先で解散した。
1人で帰り道を歩きながら、敏輝のことを考えていた。最近の夢でも出てきて、さっき、涼子の口からも敏輝の名前が出てくれば、意識しない方が難しい。
はあ、1人溜息をつき、ふと上を見上げると、なだめるように三日月が微笑んでくれた。