片想い
「あれ、やきもち妬いてくれた?」
「男の子でしょ。相談されたの。」
「なんだ、ばれてたのか。」
笑いながら、まだ残っているラテに口を付けた。
「今日、プリンスホテルのフレンチ予約してあるから。」
「っえ、今日、何か記念日だっけ。」
慌ててスケジュール帳を取り出すと、佑介が笑いながら、手で止めた。
「大丈夫だよ、今日は、何でも無い日だよ。菜月は、本当に記念日とか疎いからな。そろそろ行くか。」
佑介は、菜月が使っていたカップを持って立ち上がった。
「ありがとう。」
店の出口に向かう佑介の後を追いながら、気付かれないように溜息を付いた。