片想い
「貴子、誕生日おめでとう。」
「ありがとう。」
そうすると、男性が席を立ち、女性の席に近づき、ひざまずいた。そして、ポケットから小さな箱を取り出し開くと、ダイヤの指輪が入っていた。
「貴子、俺と結婚して下さい。」
周囲が一瞬ざわついたが、すぐに静まり返った。皆、女性の返事に注目している。
「私でよければ、よろしくお願いします。」
その返事を聞くと、男性は女性を抱きしめた。レストラン内の全員が、そのカップルのプロポーズの成功を拍手でお祝いした。
「すごい、良かったよね。」
「う、うん。」
佑介に同意を求めたが、スッキリしないような顔をしていた。