片想い




「どうぞ、」



「ありがとう。」



ドアを開けて、先に菜月を部屋に入れてくれた。



「良かったよね、あのカップル、すごくお似合いだったな。」



菜月は、椅子にカバンと脱いだコートを掛け、窓際に近づいて行った。下を見下ろすと、夜景が広がっていた。



「わあ、きれい。佑介も来」



そう言いかけたところで、後ろから突然、佑介が抱きしめてきた。






「来月、菜月の誕生日にプロポーズするから返事、考えといて。」





「っえ、」




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