片想い




「本当は、菜月の誕生日にあのレストランでプロポーズするつもりだったけど、今日、他のカップルがプロポーズしてるのを見て、サプライズにならないから、やっぱりやめるわ。」





菜月は、はぐらかそうと小さく笑った。しかし、佑介には、通じなかったようだ。



「俺、本気だから。ちゃんと考えて。」



「分かった。」



菜月は、諦めたように返事をした。佑介は、その答えに満足したかのように、菜月の右耳の裏に唇を寄せた。そして、その唇は、自然と首筋に落ちていき、夜は更けていった。




< 22 / 132 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop