片想い
「本当は、菜月の誕生日にあのレストランでプロポーズするつもりだったけど、今日、他のカップルがプロポーズしてるのを見て、サプライズにならないから、やっぱりやめるわ。」
菜月は、はぐらかそうと小さく笑った。しかし、佑介には、通じなかったようだ。
「俺、本気だから。ちゃんと考えて。」
「分かった。」
菜月は、諦めたように返事をした。佑介は、その答えに満足したかのように、菜月の右耳の裏に唇を寄せた。そして、その唇は、自然と首筋に落ちていき、夜は更けていった。