片想い
21歳の私
出会い
***
“筆記用具を置いてください。答案用紙を回収します。枚数を確認するまで、そのままで待っていて下さい。”
「ねえ、どうだった?」
「まあまあ」
「菜月はね、推薦確定でしょ。」
「推薦で入れるなら、どこでもいいよ。」
「うわ、出た、余裕だね。」
大学3年の秋になっても、やりたいことなんか見つからない。だったら、この不景気に、正社員で入れる学校の推薦を利用しない手はない。別に、新卒で入った会社に一生勤めるつもりもない。