片想い




エレベーターの到着を待っていると今川佑介(イマガワユウスケ)が来た。佑介は、同僚でもあり彼氏でもある。佑介とは、付き合い始めて1年が過ぎた。



私がこの学校に派遣されて早々、若手職員だけの歓迎会の時に話しかけられた。最初は、特に何とも思ってなかったが、話したり一緒に出かけたりするうちに、佑介の優しさが分かっていった。



「聞いてる?」



「ごめん、ぼーとしちゃった、何?」



「今週の金曜日の夜、予定空けといて、ご飯食べに行こう。」



「分かった。」



佑介は、就職課で学生たちの就職支援の仕事をしている。まだまだ就職氷河期で、学生達も職員も苦戦しているようだ。6階に着き、菜月が先にエレベーターを降りる。



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