片想い
「わあ、これカナちゃんが着てるやつですよね、ラインがきれい。」
「そうなんですよ、このタイプは、」
涼子が店員に商品の説明を受けている間あたりを見渡すと、やはり私達と同じように就活生と見られる人達が何人かいた。“同じような服着て、似たような髪型で、何を見ているんだろう。”
「お客様も試着されてみますか?」
そう言って、後ろからさっきの店員が話しかけてきた。
「あれ、涼子は?」
「お友達は、試着されてますよ。」
そう言いながら、営業スマイルを貼り付けた顔を向けてくる。