片想い
「決めた、これにします。スカートの丈だけ直してもらえますか?」
「承ります、今、女性のスタッフを呼んできますね。」
そう言って、背の高い店員は行ってしまった。
「さすがに採寸はしてくれないか。」
「その発言セクハラだよ。」
話をしている間に、女性の店員が手際よく涼子の採寸をしていった。
「お直し出来次第、ご連絡しますね。」
帰り際、わざわざ、さっきの背の高い店員が涼子に名刺を渡し、私たちを見送ってくれた。
この時の私は、この出会いが忘れなれない片想いなるとは思いもしなかった。