片想い
「また、今度は何が原因で?」
事務所に入るなり、2つ年下後輩の真希ちゃんが、話しかけてきた。
「私、あんまり料理出来ないんですけど、最近、彼氏が元気ないから頑張ってお弁当作ったんですよ。それなのに、あいつ体調悪いからいらないって、どう思います、菜月さん」
「どう思って言われても、」
「別に体調が悪いから食べられないのは仕方ないってわかっているんですよ、でも、ごめん、って一言謝って欲しいんですよ。」
事務所の1番奥の更衣室の扉を閉めても、真希ちゃんはまだ、独り言のように話していた。
バイトの制服に着替えながら、大学1、2年の頃に付き合った人たちのことを思い出していた。