片想い
“良かった、ありがとう。15時からお願いします。”
携帯を切って、急いでバイトに向かった。
*
「いらっしゃいませ、お召し上がりですか?」
15時から22時って、結構長かったな、そんなことを考えながら、時計の針は、21時を指していた。
「いらっしゃいませ。」
入り口のドアが開く音がして、声を掛ける。
レジの前にお客が来たことを確認して、話しだそうとしたその時、小さく「っあ」と、声が出てしまった。その声に気付いたお客が、メニューから顔を上げる。