片想い
そう言って、1つ年上の先輩が聞いてきた。
「ああ、昨日、スーツ買いに行った時にいた店員さんです。」
「なんだ、つまんないね。菜月ちゃん、本当に男の影ないからさあ。」
「どうも、すみません。」
苦笑いしながら答えると、先輩は事務所に行ってしまった。高山さんを見ると、煙草を吸いながら、何か資料に目を通していた。
22時前だが、いつもよりお客が少なかったため、早めに看板をしまおうと外に出た。
すると、高山さんが出口から出てきて、こちらに向かって来た。
「お帰りですか?」