片想い
*
「お待たせしました。」
「全然待ってないよ。おなか減ってて、先食べちゃったんだよね、ごめんね。何か食べる?」
そう言いながら、メニューを差し出してくれた。そのメニューを受け取りながら、左手の薬指に指輪が無いことを確認した。
「いえ、大丈夫ですよ。すみません、休憩中に食べたんで、おなか減って無いんです。飲み物だけで、」
「そっか、飲食店だと、割引で食べられるからいいよね。」
ベルで店員を呼び、ホットティーを注文した。
「あそこで、いつから働いてるの?」