片想い








「お待たせしました。」



「全然待ってないよ。おなか減ってて、先食べちゃったんだよね、ごめんね。何か食べる?」




そう言いながら、メニューを差し出してくれた。そのメニューを受け取りながら、左手の薬指に指輪が無いことを確認した。



「いえ、大丈夫ですよ。すみません、休憩中に食べたんで、おなか減って無いんです。飲み物だけで、」



「そっか、飲食店だと、割引で食べられるからいいよね。」



ベルで店員を呼び、ホットティーを注文した。



「あそこで、いつから働いてるの?」



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