片想い
「俺は、本当は、ホテル業界に就職したかったんだけど、ちょうどその時、父親の体調が良くなくて、それで、実家の近くに勤務する可能性がある今の会社に決めたんだ。でも、結局、全然、違う場所に転勤になっちゃったんだけどね。」
「そうだったんですね。」
「そろそろ、行こうか。」
高山さんは、自然に伝票を掴み、会計を済ませてくれた。
「あの、お金、」
「大丈夫、一応、これでも社会人5年目だからね。駅まで送ってくよ。」
「ご馳走様です。」