片想い




2人で並んで歩きながら、色々な話をした。高山さんは、4人家族で4つ下に大学院生の弟がいるらしい。休みの日は、半日は、溜めた洗濯や掃除をして、午後からは、服を買いに行ったり映画を見たり。まとまった休みが取れると、旅行に行くらしい。


「じゃあ、ありがとうございました。」



「まだ、名刺渡してなかったね。これ、もし就活のことで相談したいことがあったら、いつでも連絡して。」



「ありがとうございます、あ、電車来た。すみません、おやすみなさい。」



「おやすみ。」



電車に乗って、さっき貰った名刺を見た。普通に、店舗の連絡先しか無いじゃんと思って、裏返すと書き殴ったような手書きで、携帯番号とメールアドレスが書いてあった。




“好きとまでは言えないけど、嫌いじゃないな。”そう思いながら、名刺をコートのポケットにしまった。



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