片想い




普段あまり表情を変えない菜月だったが、涼子からしてみれば、高山さんの話をしている菜月は、何となく嬉しそうに見えた。



「そう言えば、涼子、もう説明会の予約した?」



「一応、来週が、就活も本格解禁だけど、早い会社はもう予約出来るしね。」



涼子は、相変わらず、英文を読んでいるふりをした。だが、話題が就活の話に移りそうになりながらも、なんとか高山さんの話題に戻そうと考えていた。



「私も予約したけど、履歴書持参になってて、自己アピールとか良く分からないよ。」



「高山さんに相談に乗ってもらえば?」



涼子は、自然と菜月が高山さんと接点を持てるようとそう促した。もちろん、菜月には、涼子の計算など分からないように。



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