片想い
伝わる
菜月は、授業を終えるとすぐにN駅に向かった。しかし、約束の時間を少し過ぎそうだったので、向かっている途中、高山さんにメールを入れた。そして、N駅に着いた頃には、約束の時間を30分過ぎていた。
駅に着くと、高山さんは、スーツではなくジーンズとブラックのショートコートの私服で立っていた。菜月は、その姿を見つけると、すぐに近づいて行った。
「すみません、こっちからお願いしたのに、遅くなってしまって。」
「大丈夫だよ、ごめんね。もう少し遅い時間にすれば良かったね。」
高山さんは、優しく笑いながら流してくれた。
「ご飯まだ食べてないよね?」
「食べてないです。」