片想い
*
店の看板は、BlueHeartの名前と書かれていた。高山さんが開けてくれたドアを先に潜る。中には、初老のオーナーと棚に飾られていたボトルの数々が目に入った。
「あれ、敏輝君、今日は、彼女と一緒かい?」
オーナーは、私達が入っていくとすぐに高山さんに声を掛けた。
「彼女じゃないよ。」
高山さんは、すぐに否定したが、菜月はその一言にすごく落胆してしまった。
「こちらは、塚原菜月さん。こっちは、オーナーの藤井さん。」
「初めまして、塚原菜月です。」