片想い




「おめでとう。今日、仕事早めに終わりそうだから、先に家に居て。」



電話越しの敏輝の声は、いつもの優しい敏輝の声より硬かった。



「ありがとう。また、あとでね。」









前に貰っていた合鍵で、先に部屋に入る。部屋の中は、脱いだ服や飲みかけのコップがそのまま置きっぱなしだった。菜月は、それらを片付けながら、置いてある部屋着に着替えた。その時、インターフォンが鳴った。




ドアに近づき、ドアスコープの覗くと敏輝だった。






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