片想い
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次の日、菜月は、敏輝の家の近くに来たが、遠くから様子を見ていた。引っ越し業者は、すでに出発したようだが、男の人が1人まだ出入りしていた。
“そろそろいかなきゃ。”腕時計で時間を確認して、12時になる10分前にようやく菜月は、敏輝の家に向かって歩き出した。
敏輝の部屋の前まで来たが、インターホンを押そうか悩んでいたその時、さっき見た男の人が出てきた。
「もしかして、菜月ちゃん?兄貴、菜月ちゃん来たよ。」
菜月が返事をする前に、敏輝の弟らしき人物が部屋の奥に居る敏輝に向かって声を掛けた。声を掛けられた敏輝は、慌てて玄関に来た。
「菜月、」
名前を呼ばれて敏輝を見ると少し痩せたように見えた。
「俺、コンビニ行ってくるわ。」
「悪いな、卓也。」