年下意地悪王子様


翔音に、連れて来られたのは…誰も居ない屋上。






「…誰も居ないな。」


「…。」


「椿。そういう事だから。」












どういう事?












「俺は、椿に一目惚れ。親に頼んで、椿の家に居候させてもらったわけ。」


「私の親と友達だって…。」


「それは、本当。…てか、祐輝から画像見せてもらう前から親に写真見せてもらってたし。」


「え?!」


「…小さいころから。」

「小さいころ…?」











「そう。俺は、10年くらい椿に片想いしてたの。」













10年…。すごいね。










「実際、会ってみて…。」



「…がっかり?」



「なわけないし。…実物の方が、可愛い。」



「…嘘だ。」



「…自覚なさすぎ。俺が小さいころに見て一目惚れしたくらいだぞ?」



「…翔音。モテるんだから私よりも綺麗な人とか見てきたんじゃないの?」



「俺にとっては、小さいころから今まで。誰一人椿より綺麗なやついなかったけど?」














…嘘みたいな事。
これは、もしかして…妄想?


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