もしも僕だったら
「……あのね、私、裕也君の分も作ってきたんだ。…良かったら食べて?」
恥ずかしそうに顔を淡く染めながら、可愛らしい布に包まれた弁当箱を差し出された。
「うわ、マジで? 嬉しい、ありがと」
素直に嬉しかった。
だから笑って受け取る。
そんな俺を見て、美羽は照れ笑いをした。
そこで俺らカップルのらぶらぶとーくは終了。
煩いチャイムが嫉妬するように音を鳴らしたから。
俺は窓側の後ろの席へ座る。
その後ろは空席だ。
多分、転校生はこの席なんだろう。