あの日の空

体育館

新しい制服に身を包んだ人が大勢居いた。

私は自分の出席番号の書いてある椅子に座った。

1-A組 

木下 楓音(キノシタ カノン)

名前のわりには可愛くない私。

こんな可愛らしい名前をつけてくれて人はもうこの世にいない。

長々しい校長先生の話。

隣では爆睡している女の子。

「ねぇ、起きなよ。」

話したこともない子に話しかけてる自分。

「んん・・・・うん?」

胸のあたりまであるふんわりしたクリーム色の髪の毛。

真っ白な肌。

大きな瞳。

モデルさんのような子だった。

「話終わった?」

「まだだけど・・・・。」

「ここの校長話なげーんだけど。」

「確かに。」

「てか、あんた誰?」

「木下楓音・・・。」

「楓音て可愛い名前。」

「ありがと。」

私は少し照れながら言う。

「私、木野内 茜(キノウチ アカネ)。」

「木野内さん」

「茜でいいよ」

にっこりしながら言う。

とても可愛らしい笑顔。

校長先生の話が終わるまで茜と話していた。

ファッションの話や音楽の話。

茜とは好みが一緒だった。

体育館にちっとも響かないぐらいの笑い声でたくさん笑った。

そして

茜の彼氏の話。

こんなに可愛い子だから彼氏もかっこいいだろう。

楽しそうに話す茜の笑顔。

なんだかとっても羨ましかった。
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