オオカミ少年。

ドヤ顔でニヤリ。


「先生、俺席替えしたくない!」

「わがまま言うなよ中田。みんながな、平山の彼氏が授業中にうるさくて集中できないって言うんだよ。」

「それ俺じゃん!」

「そうだ。」


先生とコントみたいなやり取りをして、どうにか席替えを無くそうとしている中田の必死さに笑ってしまいそうになる。

席が離れたって話しかけてくるくせに。


「あ、でも…」

さっきまで席替えをしたくないと言っていた中田とは一変。何かを考えるように黙り込んだ。


「何?」

「平山絶対俺の隣になれよ!」

「は?」


あたしにどうしろと?

席替えはくじ引きだし、あたしがどう頑張ろうと結果は変わらない。


「何言ってんの中田、無理だよ。」

「どうにかしろ!」

ほんと、言ってることがメチャクチャで、呆れながらも頷くしかなかった。


隣にいる多田くんは苦笑い。

「頑張って」

なんて言ってくれるけど、あたしはいったい何を頑張ればいいの?

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