オオカミ少年。

「え…」

「やっぱ、しよっか。」

突然のことで頭がついていかない。

"しよっか"って、何を?


「な、何を…?」

「それ、今さら聞くわけ?」


ということは、やっぱり…

徐々に近づいてくる中田の顔。火照った体は中田のせいで余計に熱を上げて、力が入らない。


「熱、上がるかもな。」

こんなに甘ったるい雰囲気になったのは初めてで、抵抗するべきなのか受け入れるべきなのか分からない。


ギュッと目を閉じて、中田の動きを待つ。

キス?

それとも…

いや、いいのか?こんな、熱があるのに。勢いみたいな感じでこういうことしちゃっていいのかな。

………そんな、ノリで?

「あの…っ、中田…!」

思わず目を開けると、悪戯っ子のように笑う中田がいて。

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