オオカミ少年。

「平山がいいなら、俺はいつでもこういうことしたいって思ってるってこと。」


"こういうこと"?

熱のせいかな。頭がボーッとして、中田の言ってることを理解するのに時間がかかる。

それってつまり…


「……中田は性欲の塊ってことだ。」

「当たりー。」


そっかそっか。じゃあ気を付けなきゃ襲われちゃうかもしれないんだ、あたし。

中田から離れるようにベッドの端に寄ると、あからさまに落ち込んでうつ向いた。


「…おーい。俺、平山がこういうの苦手だって知ってるから。」

「…うん、苦手なんだよね。」

「だから襲ったりしないって。」

「そっか、よかった。」

「…そんなに離れんなよ。」


「…うん。」

「……お前まだ疑ってんだろ!」

近寄ってこないあたしを見て、中田は笑いながらそう言った。

…バレたか。

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