オオカミ少年。

「撤回。性欲の塊ってやつ、撤回する。俺すっげぇ純粋だから!」

「…もー、また嘘ばっかり」

中田のどこらへんが純粋なのよ。


「嘘じゃねぇよ。」

笑ってるから、やっぱりいつもの嘘なんだろうなぁ。ほんと、中田は本物のオオカミ少年だと思う。

なんて思ってると、中田はあたしの顔をジーッと見て


「やっぱさ、お前可愛いな。」

なんて、バカみたいなことを言った。

どうなってんの中田の恥ずかしいポイント!

熱上がる。無理、熱上がるから!


「……も、熱上がるから…」

「…俺も、我慢できなくなりそう。」

「何が?」

「…色々?」


中田は急に立ち上がって

「平山、早く寝て治せよ。」

と言って少し離れて床に座った。

「うん、ありがと。」

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