オオカミ少年。
「あのさ、それ中田に直接言ってもらえるかな。あたしに言われても困るんだよね。」
だってどうせ、無視したって話しかけてくるでしょ、あの人は。
1日に何回嘘つくの、ってくらい話しかけてきてるんだから、それを言うなら中田に言うべきだよ。
「何それ、嫌み?」
あれ、言い方間違えたかな。
目の前にいる女の子たちは少し怒っている。きっとあたしが気に障ることでも言っちゃったんだろう。
「違うよ。ただ、あたしに言ってもどうにもならないっていうか…」
「話さなきゃいいだけじゃん。」
あぁ、もうめんどくさい。
あたしにどうしろって言うの?
チョコなんてあげなきゃよかった。
こうなるのが嫌だったから、中田と一緒に廊下歩くの嫌だったのに。