オオカミ少年。
「歩未どれ飲む?」
「んー、どれでもいいや。やっぱりあたし座ってるね。」
楽しいクラス会のはずなのに、中田のことが気になって十分に楽しめない。
いつもみたいに話しかけてこないんだもん。
今では多田くんに告白されたことよりも、中田が話しかけてこないことの方が気になった。
「歩未ー、適当に貰ってきたよ。」
「ありがとー。」
飲み物だけ置くと友達は、どこかに行ってしまった。みんなはしゃいでるのに、あたしだけ座ったまま。
それから何度も入れ替わって友達があたしのところに来たけど、みんなすぐにどこかに行ってしまう。
「平山ちゃん元気ー?」
酔っぱらった男子まで絡んでくる始末。
いや、普段からみんな仲良いクラスだから、別に全然良いんだけどさ。