オオカミ少年。
「お前は俺より飲んでるだろー」
「俺はいーの。」
さっきまでクラスの男子が座ってたところに、中田が座ってる。
みんな遠くの方にいるから、2人きりみたいでドキドキした。
そんなあたしを見てか、中田はあたしの飲み物を奪って一気に飲む。
一応、お酒なんだけどなー…
「元気ないじゃん。」
「普通だよ、普通。」
沈黙を破ったのは中田の方で。
口調も顔つきもいつもの中田とは違うように感じた。それはきっと、お酒を飲んでるからなんだろう。
「中田飲みすぎじゃない?」
「さっきビール一本1人で飲んできた」
「うそっ、それ飲みすぎだよ!」
一応あたしたちは高校生だし、止める大人がいないからってそんなに飲んだらみんな家帰れないでしょ。