オオカミ少年。
いつもどおりの嘘。
「ひーらーやーまー!」
「うわぁっ!」
色気のない声を出してしまったのはもちろんあたしで。それは中田が近づいてきたから出てしまったわけで。
「…何、その反応。傷つくわー」
あたしだけが意識しているようだった。
その理由が何となく分かる。
「うっさいバカ。」
こいつは、覚えてない!!
あの日のことを全く!!
「ねぇ、早く行こうよ!」
またまたクラスの集まりで、今回はこの前ほど人は集まらなかったけど。今からみんなで市の体育館を借りてバスケをするらしい。
あたしバスケ出来ないけど。
「何だよ、平山今日不機嫌なわけ?」
「は?は?違うけど、ご機嫌ですけど!」
いやほんとに、この反応は絶対覚えてない。
何なのほんとに。酔った勢いってのもあったのかもしれないけど、キスしといて覚えてないって…っ