オオカミ少年。
いや、もしかしたら覚えてないのかなーって、今日来るまで1人で漠然と考えてたりもしたんだけどさ。
ほんとに覚えてないとなるとね。
イラつくどころの騒ぎじゃない。
イラつく通り越したかも。イラつく通り越して、ちょっと悲しくなってきた。
「あ、平山、あっちにお菓子の家があるぞ!」
「え?」
イラついてても、そんなこと言われたら好奇心をくすぐられてしまって、当然のように中田が指差す方向を見る。
「あはは、嘘だけど」
「っ死んでしまえバカ!!」
何だこいつ!!
ほんとにいつもどおりだよ!!
「は、騙される平山がわりぃの」
「もう中田嫌い。」
「あ、傷つくわー」