オオカミ少年。
「あ、多田」
「は?」
「うっそー。」
指差す方向を見たあたしの頭を中田が後ろから小突いた。
こいつ、また嘘つきやがった。
「……ほんとに一回死んでこい。」
「わっ、俺傷ついた!」
「…そのあと生き返って、あたしがビックリするくらい正直者になればいいんだよ。くっそ、ムカつくなぁ。」
「…貶されてんのか励まされてんのか分かんねぇや。」
貶してんだよ。
めちゃくちゃ貶してんだよ。
「あ、お前あさって暇?」
「何で?」
あさって……4月1日。何かあったっけ?