オオカミ少年。
ていうか、鬼が立ってるってあながち間違いじゃなかったんだ。いつも嘘ばっかりついてるから、こういうときダメ。
あたしもカッパは信じたのに鬼は信じないって、それどういう基準で決めてんのよ。
自分が不思議だわ。
「平山、中田、お前ら後で職員室な。」
「えー、まじっすか」
「おー、まじだ。」
「俺忙しいんですよね。」
「俺の方が忙しいんだよ。平山、中田連れてこなかったら……分かってるよな?」
「はい、もちろん分かってます。何があっても連れていきます!」
鋭い目があたしを睨むから、全力で頷いた。
このバカ男め。あんたのせいで怒られてんのに何のんきに笑ってんの!
―キーンコーンカーンコーン…
「よし、じゃあ今日の授業はここまで。お前ら予習やっとけよー。」
あぁ……最悪だ。
とりあえず、横でのんきに笑ってる中田を思いきり睨んだ。