オオカミ少年。
―ドンッ
あたしの体は、アスファルトに倒れ込んだ。
「ちょっ、えぇ?」
遠くから中田の慌てた声が聞こえる。
「痛い!」
すぐさま自分で起き上がる。
膝がジンジンと痛んだ。
恐る恐る見てみると、想像していた通り、血が出ていて。サンダルに向かって垂れていく。
あぁもう、短パンなんか履くんじゃなかった。
「お前、何してんの?」
中田は呆れたように近づいてきて、座り込んでいるあたしに目線を合わせるように座った。
「あーあ、血出てんじゃん。ったく、お前小学生かよー。慌てすぎ」
何だそれ。
あたしは中田に気持ちを伝えるためにこうして急いでここまで来たのに。