オオカミ少年。
「エイプリルフール!」
「は?」
「調べたの!」
キョトンとしていた中田は、話の内容が分かった途端に気まずそうに目を反らした。
「ほらっ!嘘をついていいのは4月1日の正午までって書いてあるの!」
そんなことが言いたいんじゃなくて。
自分の気持ちにも気づけなかったあたしの鈍感さが原因でこうなってしまったんだから。
「…知ってるよ」
そう、中田は知ってたんだ。
嘘をついていいのは正午までだって。
だからあれは……
「あれは嘘じゃなかったってことでしょ?」
中田はほんとにあたしが好きなんだよね?
「…うん」
何を思ったのか、中田は少し落ち込んでしまった。うつ向いて、あたしの顔なんて見ようともしない。