オオカミ少年。

勢いよく抱きついたあたしと

それを受け止める中田。


ギュッと力を入れると、中田の柔らかい髪の毛が顔に当たってくすぐったかった。

こんなに近づいたのは、クラス会以来。


「えっ、まじで!?」


ようやく状況を把握した中田は、勢いよくあたしを引き剥がしてそう聞いてきた。


「うん、まじ」

「エイプリルフールの嘘とかなしだぞ?」

「中田じゃないんだから」

「今さら取り消しとかも!」

「ないよ」

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