オオカミ少年。
自然と顔が綻んだ。
少しだけ、嬉しいな。
「行こーぜ平山」
「あっ、うん」
後ろで騒いでる男子を放って、中田はあたしの手をグイッと引っ張る。
新しいクラスの紙が玄関に貼り出されていた。
みんなが群がるからあたしからは全く見えなくて。背が高い中田ですらもかろうじて見えてるみたいだった。
「人多いなー」
「あたし見えないから、中田代わりにあたしのクラスも見てよ」
「ん、分かった」
何となくだけど、中田とはまた同じクラスになれるような気がしていた。
理由は分からないけど。
「平山歩未はー……あ、あった。」
「何組?」