オオカミ少年。

単純というか、楽観的というか、やっぱりなんか変わってるんだよね、この人。


「はい、平山こっち向いて!」


やっぱり思っていた通りこうして今年も中田とは同じクラスになってしまうんだよね。

女の勘って当たる。


「何で?」

「いいから!」

言われるがままに中田と向き合う。


「俺結構人気者なんだよね」

「知ってるけど」


あたしも厄介な人を好きになっちゃったわ。

学校で1、2を争う人気者の彼女になってしまったんだから。これからどうなるか少しだけ怖い。


「気づいてないと思うけど、平山も男子から結構人気なんだ」

「え?」

「だから、ここで証明しとこうと思って」

「何を?」と口を開こうとしたときだった。

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