その禁忌に堕ちていく~TABOO~
その禁忌に堕ちていく
「野村先生は先頭走るの?」

「私は、最後の生徒について行く係り」

「えーっ前走ってよ!野村先生のおしり見ながら走りたい」



私は高校の体育の教師。
今日は、勤め始めて2年目の高校のマラソン大会。


目の前では、もうすぐスタートする2年の男子生徒がふざけ合っている。


私の目は無意識にある男子生徒を探す。

一際、綺麗なラインを描く体形。


香坂 律。


彼は、私が顧問を務める陸上部の短距離選手で、私が手塩に掛けて育ててる。



「加奈、もうすぐスタートするよ」

「はい」



声を掛けてきたのは、ついこの間、彼氏になった山口先生。



「加奈だって!山口ってもう野村先生抱いたの?」



生徒の噂話が耳に入ってきて、溜息を吐いた。

そんな中、私を見る視線を感じて顔を上げる。


香坂が見てる。

落ちつかなくて、私の方から視線を逸らせた。
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