その禁忌に堕ちていく~TABOO~
スタートを示す笛が鳴る。
集団だった男子生徒が、郊外に出る頃には一気にばらけ始めた。



「ふざけてんの?真面目に走りなさいよ!」

「俺は短距離走者。長距離は苦手なの先生知ってるでしょ?」

「それは知ってるけど、この順位はない…」



香坂がぶっちぎりで最後。

周りには誰もいない。



「先生、ここ俺の家」



その瞬間だった。

香坂が、私の手を引き寄せ、その家の中に引き込む。
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