大学コースター
四月 ~出会い~
「とうとう大学生かー。これでもう自由で楽しい生活ができるや。」
そう話して
いるこの青年、大吾。身長は175、痩せ型、茶髪にパーマをかけた普通の大学生。
彼のこれまでの人生は正直ほとんど苦労をしていない。
高校受験も早く終わって、大学受験は指定校推薦。とんとん拍子に進んでいっているので、人生の苦労をあまり知らない。

「やっぱり大学はかわいい子多いよなー」そう言って、頭の中は早く彼女できないかなと考えながら大学のオリエンテーションに行ったのである。

 しかし、いきなりの挫折。オリエンテーションの隣の席は女の子だが、もしここで話しかけて、この人私のこと狙ってるのかなって思われたらどうしようなどと女々しいことを考えてしまうのである。
また、後ろで二人の男の子が座る場所を間違えていてそれを教えたいのだが言い出せない。
ここまで聞くとみなさんもわかるでしょう。
そう。この大吾は、見た目は大学生っぽく見せて、彼女ほしいなどと言っているが実は、人見知りで女々しいところがあるのだ。
結局その日は友達が出来るどころかまともに人と話さず家に帰ったのである。
その日の夜大吾は、「やばい。初日から誰とも話せなかった。大学行きたくない」今朝は新しく始まる大学生活を喜んでいたのに、もう泣き言。これは先の思いやられることである。
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