彼氏がいるのにマラソンで…
隣に並んだら、彼の息づかいが聞こえた。

その息づかいに合わせて、歩幅も合わせる。

しばらくすると彼はぐっとペースをあげた。私もそれにあわせる。

これはマラソンではなくて、音楽のセッションのようだ。

私に気づいてるはずなのに、彼からの言葉はなかった。

そんなものはいらない。

今はただ、彼だけを感じていたい。一緒に走りたい。

この湧きあがる高揚感はランナーズハイによるものだ。きっとそうだ。恋の筈なんかないよね。

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