彼氏がいるのにマラソンで…
胸の奥底から湧きあがるような高揚感。胸一杯になって、はじける開放感。

彼は知ってか知らずか、折り返し地点のパイロンを無視してまっすぐ走った。私もそのままついていく。

折り返し地点のパイロンから遠ざかれば遠ざかるほど、いけないことをしているという罪悪感が湧いたが同時に、どんどんと彼へと同化していく私がいた。

このまま何処までも、この人と走っていきたい。

まったく疲れるという感覚はなかった。心も身体も飛び跳ねていた。



<<つづく>>
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